もりした循環器科クリニック
心臓(冠動脈)CTについて
心臓CTって何?
従来、狭心症や心筋梗塞の診断には心臓カテーテル検査が必要であり、心臓CT検査が普及する以前は、診断の基準(ゴールデンスタンダード)でした。しかし近年、心臓CT検査の高い診断能と、心臓カテーテル検査と比べて、低侵襲で体の負担の少ない検査ということで、循環器疾患の診断および治療方針の決定に重要な役割を担っています。
心臓CTで何がわかるの?
心臓の血管(冠動脈)を評価:冠動脈狭窄や、石灰化など動脈硬化の状態もわかります。
また脂質(プラーク)による冠動脈狭窄の場合、特に危険度が高い(プラーク破綻しやすい)とされている脆弱な脂質プラークの検出も可能です。

冠動脈の術後評価:冠動脈に留置されたステントの再狭窄評価や、冠動脈バイパスの評価が可能です。


心臓CT検査の対象は?
高血圧、脂質異常症、糖尿病、喫煙といった動脈硬化の危険因子をお持ちの方、胸痛を自覚される方、心臓病の家族歴をお持ちの方には特におすすめできる検査といえます。
また冠動脈ステント留置後、冠動脈バイパス術後の評価も行います。
※上記対象外でも、各検査の結果により、心臓CTの必要可否を判断する場合があります。
※造影剤アレルギー歴がある方は、造影剤を使用しない「冠動脈石灰化スコアCT」による動脈硬化のリスク評価も行っています。
心臓CTってどんな検査?
【検査の流れ】
1:来院
2:身体測定、心電図検査
3:CT室入室(検査着に着替え)
4:心臓CT撮影(息止め10秒程度)
5:退室
6:CT検査結果の説明(他院紹介の場合、結果を紹介元に郵送)
【所要時間】
検査は入室から退室まで20分~30分程度です。
当日結果説明は、画像作成と画像評価を行いますので、検査後30分~60分程度お待ちいただきます。

当院のCT装置
X線管を2管球搭載したデュアルソースCT(SIEMENS社製)による検査を行っています。
シーメンス社独自の2管球X線管球の利点は、高い時間分解能(カメラでいうシャッタースピード)です。常に動いている(収縮拡張を繰り返している)「心臓」の撮影を得意とし、高精細な画質による評価が可能です。
X線被ばくに関しては、従来の64列CTに比べると低減されています。被ばく低減機能の積極的利用や、被ばく管理を徹底し、患者さんにやさしい検査を心がけています。

費用
※注)検査のみの費用
・3割負担の場合 12,000円~15,000円
・2割負担の場合 7,000円~8,000円
・1割負担の場合 3,500円~4,000円
・全額自費の場合 35,000円~40,000円
※体重や撮影範囲によって造影剤量が変わります。また心拍数を安定する目的でβ遮断剤を使用する場合があり、費用に若干の差があります。
注意点
冠動脈を評価するために、造影剤を使用します。造影剤の副作用は一般的に約3%と言われており、症状の多くは蕁麻疹、体のかゆみ、くしゃみ、のどや鼻の不快感などのアレルギー様の症状です。
ごく稀ですが、呼吸困難等の重篤な副作用発生の報告もあります。
・過去に造影剤アレルギーのあった方
・気管支喘息のある方
・その他アレルギー体質の方
以上に該当する方は、造影剤使用の可否を判断しますので、必ずお申し出ください。
また、腎臓の機能が低下している場合も造影剤を使用できない場合があります。